薬剤師コラム

抗生物質はなぜ飲みきらなきゃいけないの?

抗生物質の役割とは?

抗生物質(抗菌薬)は、体の中で悪さをしている「細菌」を退治するお薬です。
熱や痛みなどの症状が落ち着くと、「もう治ったかな?」と思ってやめてしまう方もいますが、実はこのタイミングで服用をやめてしまうと、まだ体の中に「生き残った細菌」がいることがあります。

飲み切らないと“耐性菌”ができることも

生き残った細菌が再び増殖すれば再び感染を起こす事に繋がります。
さらに怖いのが薬に慣れて強くなり「耐性菌(たいせいきん)」ができてしまう事です。
この耐性菌は次に感染したときに薬が効かなくなる可能性があります。
耐性菌が広がると、治療が難しくなり、社会全体の大きな問題にもつながります。

「症状が良くなっても」飲み切ることが大切

お医者さんが決めた日数には、きちんと理由があります。
症状が良くなった後も、細菌をしっかり退治しきるための期間が考えられています。
これはインフルエンザや新型コロナで使用する抗ウイルス薬も同様です。
途中で服用を止めてしまうと他の人に移してしまうリスクも高めてしまいます。
そのため、体調が落ち着いても自己判断で中止せず、指示通りに飲み切ることが大切です。

抗生物質を中止すべき主な症状

飲み切ることが大切な抗生物質ですが、副作用が疑われる場合はこの限りではありません。
次のような症状が出た場合は、すぐに服用を中止して医師や薬剤師に相談してください。

① 発疹・かゆみ・じんましん

体に赤い発疹やかゆみが出た場合は、薬によるアレルギー反応の可能性があります。
軽く見えても、急に悪化することがあるため注意が必要です。

② 息苦しさ・顔や唇の腫れ

呼吸がしづらい、唇やまぶたが腫れるなどの症状は、アレルギー反応(アナフィラキシー)のサインかもしれません。

③ 強い下痢や血の混じった下痢

抗生物質の影響で腸内の菌のバランスが崩れることがあります。
軽い下痢なら様子を見られることもありますが、水のような下痢が続く・血便が出るときは医師の判断が必要です。

④ 高熱・のどの痛み・関節痛などの全身症状

薬による薬疹や薬剤性過敏症症候群などの可能性もあります。
発疹とともに熱が出たときは、ただの風邪ではなく薬の副作用のこともあるため要注意です。

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