薬剤師コラム

冬の様々な症状に注意しましょう。

薬剤師のSです。

先日突然の大雪から始まった2021年の冬。
いよいよこれから長く寒い季節が続くかと思いますが、体調管理を怠ることなく、健やかに過ごしていきましょう。

さて実は、暦の上ではもう冬は少し前から始まっており、11月の初旬にあった立冬から来年の1月中旬ごろまで続き、そこから冬土用を経て春へと向かっていきます。
しかしながら北海道の冬は長く、3月頃までは雪が続くのが通年です。
その上、今シーズンは積雪が多い予測も立っており、例年以上に体調面での準備が重要になってくるかと思います。

漢方の世界で用いられる五行説では、冬は「水(すい)」に属します。
そして「水」に属する五臓は「腎」です。
役割はいわゆる”腎臓”とは少し異なっており、排尿だけでなく排便を含む排泄機能全般、さらに生殖器の機能を含めた全体を司っています。
その他にも腎にはエネルギーを「動かす」、エネルギーによって「温める」、水を調節することにより「潤す」という働きがあり、身体の成長や発育にも重要な働きを持っています。

そして、この腎に対して悪影響を及ぼすのが「寒」、つまり寒さです。
なので冬は腎の機能が低下しやすく、それに伴って様々な症状が出てきます。

代表的な症状はやはり「風邪」です。
秋から続く乾燥した空気に加えて寒気が入り、より一層呼吸器のトラブルを起こしやすくなるのがこの時期と言えるかと思います。
腎の機能が低下し免疫力が落ちるこの時期は、いわゆるかぜ症候群だけではなくインフルエンザなどにも特に注意が必要です。

もう一つ代表的な症状は「痛み」です。
一年中痛みに悩まされている方も特につらいのが冷える時期ではないでしょうか。
これもやはり、冷えることで血流が悪くなり、筋肉が縮こまってしまいいつもよりも痛みが増してしまうのもこの時期の特徴です。

またこの時期は部屋ごとの室温差や、外気温との寒暖差も注意が必要です。
特に北海道は全国平均よりも冬の室内温度が高く、寒暖差が大きくなりやすいです。
脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの循環器トラブルもこの時期に多くなりがちですので、十分に注意しておく必要があります。

浴室はあらかじめ暖めておくことでヒートショックを防げますし、雪かきも少しずつやるなどして急激に体を動かさないようにしましょう。

いずれもこの時期はやはり「寒」によって引き起こされる症状が多いので、この時期の料理としてはお鍋がよくおすすめに挙げられます。
五行色体表において、腎は五色では黒、五味では鹹(かん:塩辛い)に対応します。
こんぶや海苔といった海藻類、シイタケなどのキノコ類、ごぼうなどは黒い食材の一例で、いずれもよくお鍋の具材として用いられます。
またイモやニンジン、大根と言った根菜類は、体を温めてくれる食材です。
北海道の郷土料理である三平汁や、石狩鍋などは塩味も強く、まさしくこの時期らしい食べ物で先人の知恵を感じます。
塩分の取りすぎには注意ですが、季節にあった食品を食べるのもいいのではないでしょうか?

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