薬剤師コラム

糖尿病について

みなさんこんにちは。薬剤師の W です。
11月14日は『糖尿病デー』ということで今回は糖尿病についてのコラムです。

糖尿病は血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用が不足し、血糖値が高いままになる病気です。

糖尿病って甘いものの食べすぎで発症するイメージがありますよね?
体質などの遺伝的な要因で起こることもありますが、ほとんどは食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、喫煙などによりインスリンの作用が不足するために起きると考えられています。
軽症ではほとんど自覚症状が表れません。しかし放っておくと目や腎臓、神経に栄養を送る血管がもろくなることや心臓や脳、足の血管の動脈硬化が進みやすいことが知られています。こうなる前に治療を始める必要があるのです。

今回は糖尿病の飲み薬について簡単に紹介します。

  • SU 薬
    膵臓に直接作用してインスリンの分泌を促進します。
    効き始めるまで時間がかかるので空腹時の高血糖に効果があります。
  • 速効型インスリン分泌促進薬
    速やかに膵臓に作用してインスリンの分泌を作用します。
    すぐに効き始めるので食後の高血糖に効果があります。
  • α GI 薬
    糖分の消化を遅らせてブドウ糖の吸収を抑えます。
    消化吸収されなかった糖分によりお腹の張り、下痢などが表れることがあります。
  • ビグアナイド系
    筋肉でのインスリンの作用を高める作用と肝臓からブドウ糖が血中に放出されるのを抑える作用があります。
  • チアゾリジン系
    肥満の方の脂肪細胞から分泌される悪玉物質の作用を抑えてインスリンの作用を増強します。
    水分を体に貯める作用によって浮腫むことがあります。
  • DPP4 阻害薬
    食後の血糖値が高い時にはインスリン分泌量を増やすためにインクレチンというホルモンが分泌されています。インクレチンはすぐに DPP4 という物質で分解されてしまいます。この酵素を働かないようにしてインクレチンの作用を増強しインスリン分泌を促進します。
  • SGLT2 阻害薬
    血液中の過剰なブドウ糖を尿から出すことによって血糖値を下げます。
    ブドウ糖と一緒に水分も排泄されるので尿の量や回数が増えます。脱水に注意しましょう。また尿中のブドウ糖を餌にして細菌が増えることにより膀胱炎などの感染症をおこしやすくなります。

糖尿病薬が効きすぎると低血糖を起こすことがあります。主な症状は汗が出る、手が震える、急にお腹が減る、頭痛などです。これらの症状を感じたら糖分のあるものを摂取しましょう。α GI 薬を服用している方は砂糖が吸収されないのでブドウ糖を摂取してくださいね。

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