薬剤師コラム

ご存知でしょうか?調剤ロボット Part3

薬剤師の S です。

薬剤師コラムで調剤薬局にある機械についてご紹介しておりますが、今回は第3弾、「全自動錠剤分包機」についてご紹介したいと思います。

以前のコラムにも書かせていただきましたが、薬は用量・用法を守って正しく飲むことで、十分な効果を発揮します。
朝ごはんの後だけとか、1〜2種類だから問題ないという方もいらっしゃいますが、中にはどうしても薬の種類が多くなってしまう方もいらっしゃるのが現状です。
種類が増えると管理が煩雑になり、朝の薬を夕に飲んだり、1回に2錠飲むものを1錠で飲んでいたり、4種類必要なのに3種類しか飲んでいなかったりと間違える可能性も高くなってきます。

そこで調剤薬局では、患者さんやそのご家族・介助者の希望により、医師の指示のもと「一包化」という業務を行っています。
簡単に言えば、錠剤・カプセルなどの飲み薬を包装からバラし、朝食後などの飲むタイミングが同じものを全てまとめて袋詰め(分包)する方法です。

しかしこの分包作業、手作業でやっていては何時間もかかってしまいますし、分包する際に錠剤を入れ間違ってしまう可能性も出てきます。
薬が空気に触れる時間が長ければ長いほど非衛生的ですので、とても現実的ではありません。
その業務を安全に、かつ迅速に行ってくれるのが全自動錠剤分包機というわけです。
現在あかね薬局では、湯山製作所製の「PROUD」を2台並行して使用しております。

機械前面と内部にはカセットと呼ばれる容器があり、錠剤・カプセルを入れておけば機械に入力された情報に従って分包されて出てくるというわけです。
カセットにはカッターが内蔵されているものもあり、自動で1/2錠にすることもできます。

そうして出来上がった薬を、今度は正しく分包されているかを確認する必要があります。
分包する時に薬が割れたり、つぶれたり、欠けてしまうことだってあります。
分包されたものは繋がって出てくるので、隣に飛んでしまう可能性もあります。
そのチェックが必要になるのですが、もう一台、あかね薬局には強い味方がいます。

一包化錠剤鑑査支援装置といい、あかね薬局では湯山製作所製の「TabSight」を使用しています。
この機械に通すことで、一包ずつ薬の種類・個数・色調・形状を厳しくチェックしていきます。
エラーがあれば画面に表示され、異物の混入などもここで判別することができます。

こうして何重もの工程をクリアして作られた薬を、最終的に判断するのは我々薬剤師の仕事です。
機械と言えども100%はありません、ちゃんと薬剤師の目で「鑑査」する必要があります。
処方箋に則って調剤されているかはもちろん、患者さん個々の情報に照らし合わせて本当に正しいかを薬学的に総合的に判断して最終チェックを行い、ようやく患者さんの元へと届きます。
安心して正しく薬を飲んでいただけるためにも、薬剤師という職を「誇りに思える(PROUD)」ように日々職務を全うしていきます。

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